「私は会社組織に向いていないのでしょうか…」
そう言って俯いたのは、今年で33歳になる事務系総合職の女性でした。
なんでも、2〜3年毎の異動に次ぐ異動のせいで、すっかり自分の仕事を見失ってしまったそう。
古今東西、サラリーマンにとって配属や異動は運次第。
大小こそあれど、毎年異動の時期になるとストレスで胃が痛くなる人は多いのでは?
今日はそんな観点から相談者さんの悩みをシェアします。
タイプによる異動耐性のちがい
「むしろ異動が楽しみって人もいるじゃないですか。住んだことのない街に転勤するのもワクワクするようなタイプの人が羨ましいです…」
彼女の発言には私も大いに共感できました。
私の上司にもそういう「新しいことウェルカム」タイプの人がいましたから。
いつも楽しそうで羨ましいな〜なんて思っていた時期もあります。
正直言うと、今でも羨ましいです。
今となっては理解できますが、これはどちらが良いとか悪いとかではなく、単純にタイプの違いなんですよね。
異動の度にストレスを感じやすい人は、1つのことをコツコツ続けるのが得意なタイプとも言えます。
逆に、臨機応変な対応が苦手だったり、柔軟性に欠ける一面もあるでしょう。
つまり今回のケースは、
1つのことをコツコツ続けるのが得意なタイプの相談者と、異動の頻度が多い勤務先とのミスマッチが問題なのです。
異動は悪なのか
とはいえ、異動にも良い面はあります。
むしろ20代の人には総合職やジョブローテーション制度のある会社をオススメしています。
「まだ自分にはどんな仕事が合っているかわからない」という若手の場合は、むしろジョブローテーションを活用すべきでしょう。
ジョブローテーション制度がある会社なら、1つの会社に勤め続けながらいろいろな職種や部署を経験できます。
勤続年数に伴う定期昇給や評価も取りこぼしがありません。
この仕事合わないな…
この仕事、正直飽きた…
なんて思っても数年我慢すれば異動できます。
理想を言えば、下記のようにイイトコ取りが出来るのがベストです。
①20代のうちにジョブローテーションで複数の職種や部署を経験してみる。
②そのうえで、自分の得意・不得意や合う合わないを見極める。
③30代前半くらいまでに業界や職種を狙い撃ちで転職する。
④それを極める。
ただ、これにも運の要素が大いにあります。
たとえば私はジョブローテーションのある会社に新卒で入社しましたが、結局在籍した5年のうちに異動は1度もありませんでした。
逆に今働いている会社では入社してからの5年間だけで3回異動になっていました。
相談者の女性の場合は、今やっているルート営業が合っているようで、逆にずっとパソコンとにらめっこしている事務の仕事は地獄のように感じるのだとか。
なので、相談者さんが組織に向いていないというわけではないんですよね。
世の中には、ジェネラリストタイプの人もいれば、スペシャリストタイプの人もいる。
それだけの話です。
今回の解決策
彼女は結局スペシャリストを目指すために転職することを選びました。
しかし、1つのことをコツコツ続けるのが得意なタイプはそもそも転職すら必要ない人もいます。
このブログは転職ブログに分類しますが、読者のみなさま全員に転職を勧めているわけでもありませんし。
ただ、もしも異動の時期になる度にストレスで胃を痛め続けるくらいなら、一度自分の働き方を本気で見直してみるのをお勧めします。
案外アッサリその苦痛から開放される道が見つかるかもしれません。