「私なんて大した経歴もないですからね…仕方ないのかもしれません。」
悲しそうに俯いたのは、半年ほど前に就職相談で私の元を訪れた若い女性でした。
その女性曰く、先日受けた採用面接の時に、目の前で履歴書の写真にバツをつけられたのだとか。
聞いている私もショックでした…!
彼女は感情的に不満をぶつけて来る様子でもなく、ただ淡々とその事実を伝えてくれました。
大人な人だと思います。
一方で、「なにか理由があったとしてもその対応はあり得ないだろう」と某社に対する私の不審感は募るばかり。
今回のお悩み相談
傷つけられた採用面接
確かに彼女の言うとおり、彼女の経歴はごく平凡なものでした。
むしろ彼女は大学を卒業したばかりの新卒生で、在学中の就職活動ではご縁に恵まれなかったのだとか。
それでも腐ることなくチャレンジを続けていました。
そんな中、某社の面接で履歴書の写真にバツをつけられるというショッキングな経験に見舞われることになります。
その面接官は一体これまで何回バツを書いてきたことだろう。
その度に何人の求職者を傷つけたんだろう。
そもそも有名企業の採用面接なんて受かる人数のほうが少ないんだから、わざわざそんなことする必要自体がないはずです。
そう思えば沸々と怒りが込み上げてきます。
この会社の将来について考えてみる
その某社とは日本人なら誰もが知っている大手企業。
有名人をイメージキャラクターに起用し、自社の好感度アピールに日々余念がないだけに腹立たしさは倍増。
しかし、そんなことをする会社の先行きなんて、凡人の私がわざわざ腹を立てずとも「もはや知れている」とも思います。
そんな品のないことをする会社は自らの顔に泥を塗っているようなものだからです。
もうあの会社の製品は買わない。
もうあの会社のサービスは二度と利用したくない。
そんな風に思われてしまっては、未来の顧客を失いかねません。
(上記の理由から、メーカーなどのBtoC企業の採用面接は優しい雰囲気で行われることが多いです。)
わざわざそんなリスクを犯してまで、採用面接で敵を作ることになんの生産性があるのだろうと思えば、とても賢い会社だとは思えません。
たとえそんなことをする面接官がたった1人だったとしてもです。
逆転しつつある企業と求職者の立場
今や転職では「売り手市場」と言われており、転職者に有利な状況と言えます。
新卒基本給アップの報道からは、「良い学生を囲い込みたい」という企業の思惑が透けて見えます。
今のままのペースで少子化が続いた結果、「うちの会社には中年や老人しか残っていない…」なんてことになったら会社も困るからですね。
「お前の代わりなんていくらでもいる!」と求職者や社員を使い捨てのように扱っていられるのも今や昔。
企業もまた、生き残りをかけた問題に直面しているのです。
バツをつけた面接官のいる某社もいつまであぐらをかいていられるでしょうか。
彼女の社会人人生に幸あれ
最後に相談者さんの後日談を紹介して終わりたいと思います。
彼女は弊社を通じてご縁のあった会社で新たな社会人人生を踏み出しています。
言葉では「自分なんて大した経歴もない」と言っていた彼女ですが、心では決して諦めていませんでした。
派遣先からの評価も上々で、来年度の直雇用の正社員への切替を目指しています。
腐ることなく歩み続けた彼女の努力が掴み取った未来への切符です。
この記事を読んでくれている皆さんも、失礼な面接官なんかに臆することなく「天職」を探し続けましょうね。
私も応援しています。