20代は会社を辞めてもなんとかなる?令和時代の20代の選択とは。

20代の選択 転職

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我が社は20代の短期離職が多いです。
入社後3ヶ月、なんなら早い人は中途入社後1週間で退職代行を使って辞めます。

と取引先の人が嘆いていました。

とんでもないブラック企業なのかと思いきや、地方の水準だとむしろホワイトなこの会社。

にもかかわらず、「次の仕事は決めてないけど辞めたいので辞める」という人も多いのだとか。

無計画すぎて理解できない…と彼は頭を抱えていましたが、私はそうは思いません。

そんな無計画な言動さえ、世の中全体として捉えると案外悪いことばかりではないと思います。

はじめに

入社の季節

確かに若手の退職は会社にとっては損失です。
人を採用することにお金がかかっている以上、ましてや短期離職なんてもってのほかです。

それでも私はあまり悲観的に捉えてはいなかったりします。

「アテはないけど辞めます」というのは、
裏を返せば

  • ほかにいくらでも転職先がある
  • アルバイトでも同じくらい稼げる
  • まだ親を頼ることができる


という“令和の20代”ならではの言動なのかなと思ったりもします。

つまりはそれだけ、世の中が「不況といえどなんとかなる」状況なのだろうなと推測できます。

「不況といえどなんとかなる」の根拠

令和の世の中

ほかにいくらでも転職先がある

ほとんどの人にとって一生働かずに生きることが難しい以上、彼らは遅かれ早かれ再就職する必要はあるでしょう。
アテがあろうがなかろうが、生きていくためには働かざるを得ない身の上ということです。

もし今が有名大学の新卒でさえ正社員の職にありつけない就職氷河期のような時代であれば、彼らだって踏み止まったはずです。

現に令和5年8月の有効求人倍率をみると、全国平均で1.29倍です。

有効求人倍率とは、仕事を求める人1人に対して何人の求人があるかを示すものであり、1.29倍ということは、求職者数<求人数ということです。

ましてや20代なら、第二新卒として就活することができたり、未経験からでも採用されるなど転職市場でもまだまだ有利な年代です。

そして「まあ次の就職もなんとかなるだろう」という心の余裕は、次に上げる金銭面での余裕にも大きく影響を受けています。

アルバイトでも同じくらい稼げる

アルバイト代

基本的に日本の会社は年功序列なので、新卒程度の給与ならアルバイトでも稼ぐことができます

時給換算をしたら正社員よりアルバイトのほうがお得だった…なんて報道もありましたね。

月あたりの平均労働時間が8時間×21日=168時間として、
大卒初任給が20万円なら、時給1,190円のバイトが見つかればいい計算です。

一昔前なら、不安定なアルバイトよりも正社員を目指す安定志向の人が多かったように思います。

しかしそれは、正社員が安定して雇用され、昇給・ボーナス・退職金など様々な面で優遇されていた時代だから言えた話です。

正社員だろうと昇給があまり見込めず、ボーナスや退職金もアテに出来ないと普段から聞かされ続けている今の20代であれば、気楽なアルバイトを選択するのも頷けます。

まだ親を頼ることができる

20代であれば、まだまだ親も現役世代です。

親が建てたマイホームなら、余裕で住むことができる築年数でしょう。

マイホーム

親世代に収入があり、住む家があるとくれば突然の会社を辞めたって全然なんとかなります。

むしろ何年かのんびりしたっていいような気すらします。

実家を出て一人暮らしをしていようが、結婚して子供がいようが、いざとなったときに頼れる実家があるか否かでは全く状況が変わってきます。

急にリストラされたとき
病気で働けなくなったとき
子供を連れて離婚したとき

頼れる実家の存在はものすごく大きいはずです。

もし私が同じ立場なら、間違いなく実家に身を寄せるでしょう。

その選択肢が取れる20代の若者は、まさに「強者」と言えるでしょう。

取れるリスクの大きさ

アテもないのに仕事を辞められる人=リスクを大きく取れる人ということです。

例えば、マイホームのローンがあって、守るべき家族がいる身の上となると、リスクを最小限にする道を模索するしかありません。

その場合、「アテもなく仕事を辞める」という選択肢は始めから“ナシ”でしょうね。

リスクを取る

大前提として、うっかりブラック企業に当たってしまった場合は退職代行でも何でも使って辞めるのが先決だと私は思います。

しかし話を聞いた彼の会社のことは私もよく知っており、むしろホワイト寄りの企業なんですよね。

それでも、「辞めたいな」と思ったとき、自分の置かれた状況や取れるリスクの大きさを把握して行動に移せる

私が若者と呼ばれていたのは平成の時代ですが、こうして考えると令和の若者はなかなかに冷静で賢いとすら言えるかもしれません。

一見すると無鉄砲にしか思えない彼らの行動にも、それなりの根拠があると私は考察します。

さいごに

私は拠点の責任者としての立場上、部下の「最後の手続き」に立ち会うことが多いです。

そのときの彼らの表情からは、多少の申し訳なさは伺えるものの、どこか晴れやかな気持ちさえ感じ取れます。

これは私にも思い当たる過去があるのでよくわかります。
私が最初に勤めた会社を辞めたとき、その開放感からしばらく海外を放浪してしまいました。

その後、私がどうなったかというと、ブラック企業に入社してしまったり、そこからまた転職することになったりで結構大変な思いをすることになります。

ただ、その大変な思いも含めて、20代の私にとっては「取れる選択肢の1つであった」ことに間違いありません。

程なく届くであろう社会保険料の納付書に、彼らがガッカリしないことだけを私は密かに願っています。

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