「新人だから」という理由だけで雑務を押し付けられるのって日本社会ではあるあるですよね。
あるいは「こういうのは若い人の仕事だから」と、理不尽に業務を押し付けられた経験がある人も多いのではないでしょうか。
そもそも誰もやりたがらないような大変な役割なら、新人だからとか関係なく、皆で手分けしてやるべきですよね。
そもそも「無くせないか」という発想も必要なはずです
それがなぜか新人だからいう理由だけで、鍵当番、掃除、お茶汲み、飲み会の幹事から、部対抗のスポーツ大会、ゴルフコンペの参加まであらゆる雑務を強要されます。
今日はそんな「新人だから」の呪縛に翻弄された私の体験談をコラム的に紹介したいと思います。
暗黒時代への突入前夜
私は新卒で入社した会社で、実に4年半も「新人だから」という理由であらゆる雑務を担当していました。
一般的な会社なら、4年半も経てば新人枠からは卒業のはずですが…
遡って話をすると、私は大学を卒業後、金融機関でシステム設計の仕事をしていました。
配属当初の私は、
「うちの部に10年ぶりの新卒社員が来るぞ!」「しかも女の子!」と先輩たちに期待され、鳴り物入りで迎えられました。
会社が私を就活生として評価し、そして社会人として期待してくれているのを感じ、素直に嬉しかったです。
しかし、このときの私はすでに暗黒時代へと突入していたのです。
「新人ルール」は学生時代から
新人とされる期間中は、
新人という理由だけで強要されること
新人という理由だけで禁止されること
が常に付きまといます。
この「新人ルール」の一番わかりやすい例は、なんといっても学校生活だと思います。
たとえば部活動では、1年生はなにかと雑用を担当させられますよね。
先輩より早く来て掃除と準備をし、活動後の片付けも1年生の仕事です。
学校生活の中でも、
下級生は制服の着こなしをアレンジしてはいけない、どんなに遠くにいても先輩を見つけたら大声で挨拶しないといけないといった暗黙のルールがあったりします。
下級生たちは理不尽さを感じながらも、「下級生のうちは我慢だ」と思って耐えているわけです。
厄介なのは、この風習・風潮が社会に出てからも色濃く残っているということです。
下っ端として過ごした4年半
そもそも私が「新人だから」という理由で4年半も雑務をさせられるはめになったのは、同じ部署に後輩が入って来なかったからです。
ある意味で、ものすごく単純な運ゲーだったんですよね。
入社して1年後には次の「新人」が入ってくるような環境ならば、なんとか1年だけ耐えるのもいいでしょうし、同じ部署に同期が複数人いれば手分けをしつつなんとかこなせるでしょう。
しかし私の場合は、待てど暮らせど後輩が入って来る気配はなく、配属されたのは私1人だったので、ずっと新人としてこき使われていました。
「今まで誰もやる人いなかったんだよね~助かるよ~」なんて理由をつけられて、それまでなかった雑務までここぞとばかりに増やされました。
そのまま誰もやらなくて良くないですか?(本音)
もはや新人というよりも「下っ端」と呼ぶのが相応しいような環境で何年も仕事をするのはぶっちゃけ結構キツかったです。
もちろんですが、こうした雑務だけでなく本来の業務(システム設計)もやっていたので明らかにキャパオーバーでしたね。
そうするうちに私は限界を迎え、ついには後輩が入ってくることのないままこの会社を退職しています。
今ならどう対処するか?
人生にタラレバはありませんが、もし当時の自分に声をかけるなら、「とにかく手を抜け」と言うと思います。
大前提として、保守的な日本の会社において、なにかを変えるということはものすごく大変です。
ましてや新人とされる立場なら、かえって周りからの風当たりが強くなるような事態を招くのは本末転倒です。
となれば、ルールの中でうまくやるしかないです。
とはいえ、真面目で責任感の強い人ほど、理不尽なルールを飲み込んで自分一人で抱えてしまいがちです。
かつての私がそうでした。
結果、心身ともに限界を迎えて逃げるように退職しています。
あくまで新人ルールを崩さず、しかし、決して真面目にやらないこと。
時間と労力の配分を考えること。
「何事にも全力投球」なんて絶対にしないこと。
できるなら、「メイン担当は私がやりますが、サポートはお願いしますね」という周りを巻き込む作戦もいいでしょう。
新人の立場を利用して、お人好しの先輩にうまく助けてもらうのもいいでしょう。
そのためには多少大げさなくらい先輩に甘えて、世渡り上手な「カワイイ後輩」に徹する技術も必要です。
ルールの中で上手くやる能力は、新人枠から卒業したあとも必要不可欠なスキルだったりしますからね。
さいごに
かつての私はそれに全く気づいておらず、真面目で責任感が強く、押し付けされた雑務も一生懸命こなし、結局は潰れてしまいました。
低賃金で名ばかりの大手でしたが、会社は確かに私を評価してくれていましたし、期待してくれていました。
それに過剰に応えようとしすぎて、私は自爆したも同然なのです。
「せっかく転職しても続かなければ意味がない」と私が言い続けるのは、過去に自分が潰れてしまった経験があるからです。
どんな会社に入ろうと、そこに居続けることができなればそのメリットを享受することはできません。
高いお給料も充実した福利厚生も、辞めてしまっては恩恵に預かれません。
せめてこれを読んでくれているあなたには、かつての私のようにはなってほしくない。
そんな思いで今日は昔を振り返ってみました。
少しでもあなたのヒントになるものがあれば嬉しいです。