多様性の世の中と言われて久しい昨今、うちの職場でもコンプライアンス研修などが頻繁に実施されています。
営業“マン”や生保“レディ”なんて言葉ももう時代錯誤なのかもしれませんね。
しかし、残念なことに「男だから」「女だから」という偏見が完全になくなったわけではない模様。
それを痛感したのは、取引先のSという男性と仕事をするようになってからでした。
あとになってわかったことですが、このSはうちの男性営業には丁寧で羽振り良く、女性営業には高圧的な態度で理不尽な要求繰り返していました。
今日はそんな今思い出しても腹立たしい苦労話を記事にしました。
いま同じようなことで悩んでいる人に少しでも参考になったら私も救われます。
(※ネガティブな話が続きます。苦手な人はブラウザバックお願いします。)
体験談
Sのせいで被った迷惑
私を見た目で判断して、「女で弱そうだしナメてかかっていいだろう」と思ったのならそれはある程度仕方ないかもしれません。
ただ、商談の内容や条件をコロコロ変えられるのはキツかった。
同じ案件で商談をしていても、私の男性上司が同席していた場合とそうでない場合で驚くほど内容が違ったのです。
私の上司にはニコニコしながら「〇〇万円出せますよ〜」と言っていたのに、あとで私には「そんなに出せるわけないだろう」とブチ切れる。
そんな調子なので、「僕が同席した商談では〇〇万円で契約できるって言ってたのにどうして話が変わっているのか」と男性上司に聞かれるのがめちゃくちゃツラかったですね。
そんなのこっちが聞きたいくらいですから。
これではまるで私が商談をうまくまとめられなかったように思われるので、すごく迷惑でした。
事前対策は打っていた
仕事でもプライベートでも、ナメられやすい自覚はあったのです。
もともと女の中でも背が低く、小柄と言われることが多いので、たまに感じることはありました。
プライベートなら二度関わらない、もしくは関係が壊れるの承知でバトる選択肢が取れますが、仕事となれば話は別です。
なので事前対策として、
髪は下ろさずキッチリしたお団子
カットソーではなく襟のあるワイシャツ
スカートではなくパンツスタイル
パンプスではなくローファー
トートバッグではなくビジネスリュック
なるべく女性らしさを排除した印象になるよう最大限考慮したつもりでした。
それでもSのようにナメてくる人は、ゼロではなかったですね。
信じてくれない上司
Sについては、逐一上司にも報告していましたが、「え?あの人そんな感じの人じゃないよね?」と信じてもらえないのが余計にキツかったです。
相手によって態度変える人って、自分より強い相手にはめちゃくちゃ下手に出るけど、自分より弱い相手には理不尽なまでに高圧的ですからね。
上司が私を信じてくれないのも仕方なかったのかもしれません。
上司には助けて欲しかったとまでは思いませんが、せめてSに関する私の話を信じて欲しかったです。
今だったら私もそこそこ場数を踏んできているので、Sと電話するときは毎回音量MAXでスピーカーフォンにして話をすると思います。
もしくは電話や商談の会話を録音する。
電話ではなく全てのやりとりをメールにして、宛先のCCに上司を入れるのもいいかもしれません。
ただ、個人的にはこのフェーズに来たら、転職アラートかなと思います。
そもそも、録音聞かせないと部下を信じてくれない上司ってどうなんでしょう。
取引先の人の中には当たりハズレがあるとして、苦しんでいる部下に理解を示せない上司のもとで働く価値はないと思います。
結論として、私は転職しない選択肢を選びましたが、その理由は「お金」。
数年努めてから営業部に異動になったため、そこそこ昇給していたのです。
ただ、今となってみればこのお金だって別に手放してもよかったなとも思います。
心身を壊してからだと、もはやお金なんかじゃリカバリーできないですからね。
女性営業にも諸説アリ
あとで社内の女の同僚に聞いてわかったことですが、その女性営業もSにあからさまに連絡を無理されていたそうです。
さもありなんという感じでしたね。
ただ、女性営業のほうが第一印象で得をするという説もあるようです。
事実、私の同僚(男性)は「俺達が訪問したって全然顔を覚えてくれないのに、女の人が担当になった途端デレデレした態度になる取引先もある」と不満を漏らしていました。
結局、性別や職位などの属性で相手を差別する人はするし、しない人はしないというだけの話かもしれません。
こんな話をすると、営業に対するイメージが悪くなりそうですが、営業をしていると取引先の人の温かさに救われることも何度あります。
私が営業を続けられた理由を記事にする予定もあるので、ぜひ読んでほしいです。
後日談
結局、Sの勤め先とは徐々に契約自体が先細り、こちらからフェードアウトさせることとなりました。
偉そうな態度を取る割に、Sの勤め先とは取引する金額の天井も見えていたからです。
言葉を選ばずに言えば、金払いが中途半端な会社に限って、何かと理由をつけて横柄な態度で理不尽な要求をしてくるのだという学びを得ましたね。そして、これは反面教師にしたいところ。
Sのおかげ(?)で、私も理不尽な相手に対峙したときに「お言葉を頂戴しまして有り難いことでございます。弊社の上司にも内容をしっかり伝えさせていただきます。」と告げ口アピールで反撃できるようになりました。
あとはフツーに理詰めで反論できるようになりました。
理不尽な人って巧妙に論点をズラしてくるのが定番です。
「その金額は出せない」とは言えないから、「筋が違う」とか「お金の問題じゃない」みたいな謎の精神論を持ち出してきます。
そういう人は、特に「女が相手なら恫喝しとけば萎縮して何も言ってこないだろう」と思うみたいです。
恫喝してくる相手のペースに飲まれたら思うツボなので、あくまでこちらは論点をズラさせず淡々と接しています。
これは相手に仕返して清々するためではなく、あくまで私のあとに続く後輩の女性たちのため。
暗いニュースが続いて、働くことを含めた将来に対して希望が持てないこの頃ですが、私たちが少しでも「大丈夫だよ」という姿を若い人たちに見せられたらと思います。
ネガティブな体験談でしたが、誰かの希望になれば嬉しいです。
お読みいただきありがとうございました。