「転職は若いほうが有利っていうけど偏見じゃないの?」というあなたへ。
年齢によって有利・不利があるなんて聞くと、自分の場合はどうなのかが気になると思います。
確かに、転職市場には一定の“年齢の壁″が存在するのは事実です。
婚活市場などと同じく、転職市場においても「若ければ若いほど有利」なのも事実です。
しかし、もしあなたが今転職を考えているなら、企業側が若い人を雇いたがるのは単なる偏見や感情論だけが理由ではないということを認識しておいたほうが絶対にいいです。
でないと、
今、転職したほうがいいのか?
今、転職しないほうがいいのか?
がわからず迷走することになってしまいます。
はじめに
誤解のないように申し添えますと、あくまで年齢は採用基準の1つに過ぎません。
採用基準は業界や会社によって異なりますし、リーマンショックやコロナ禍などの社会情勢にも左右されます。
ただ、一般的な転職市場、特に会社員の転職においては若いほうが有利と言わざるを得ません。
なぜなら、若いうちの転職なら「見込み採用」の枠で選考をしてもらえるからです。
見込み採用とは、「この人なら活躍してくれるだろう」という可能性を見出してそれに賭ける採用方法です。
全く社会人経験のない新卒の人たちが未経験からでも採用してもらえるのは、この原理です。
では25歳、30歳、35歳…と年齢が上がっていくとどうでしょう。
肌感覚でいえば、30代前半くらいまでなら未経験での見込み採用枠で内定を得ることは可能です。
ボーダーとなるのは35歳くらいからでしょうか。
転職の有利・不利を決めるもの
では、年齢的に見込み採用が望めない場合は諦めるしかないのかというと、必ずしもそうではありません。
30代半ば以降の転職で求められるものは、ずばり「マネジメント能力」です。
つまり、これまでのマネジメント能力をしっかりアピールすることができれば、年齢が上がってからの転職でも充分戦うことができます。
若い人たちとは期待されているものが違うんですね。
しかし、日本にいる30代半ばの会社員みんながマネジメント能力を身に着けているかと言われればそうではないことがわかるでしょう。
自分はもう30代半ばを過ぎている…という人は、マネジメント経験の有無が転職を有利にできるかどうかの1つの指標になると言えます。
20代〜30代前半の人は、
今の職場で30代半ばまで過ごした場合、マネジメント能力を磨くことができそうか?を考えてみてください。
答えが「YES」なら、焦らずしっかり経験とスキルを積んで、ベストなタイミングを待ってから転職したほうがいいケースです。
今の会社に残ってマネジメントスキルを磨いてから転職するほうが高待遇を狙えてお得です。
しかし、もし答えが「NO」ならば、マネジメント能力を求められる年齢になる前に1日でも早く転職活動をスタートさせたほうが賢明です。
時間が経つほどに不利になるのがわかっているなら、わざわざ転職を先延ばしにする必要はないですよね。
むしろ今転職しないほうがリスクです。
マネジメントスキルとは?
不安にさせてしまっていたら申し訳ないのですが、私はむやみに恐怖心を煽りたいわけではありません。
そうは言いつつ、やはり、自分の年齢に求められているのがどのレベルの能力なのかをしっかり自覚しないと何も始まりません。
今、転職したほうがいいのか?
今、転職しないほうがいいのか?
それらを知るために、とにかく今自分がどのフェーズにいるかを確認してみることです。
自分の担当業務と習熟度を思い浮かべてください。
誰かに教えてもらって業務ができる
自分一人で業務を完結できる
新人に業務を教えることができる
少人数のチームをマネジメントできる
大人数のチームをマネジメントできる
あなたはどの段階にいるでしょうか?
組織によっては「責任者」「部長」「店長」などの役職で考えてもいいかもしれませんね。
一般的に転職に不利と言われる30代半ばを過ぎても、
少人数のチームをマネジメントできる
大人数のチームをマネジメントできる
といった経験や能力があれば充分勝負できると言えます。
あなたが今20代なら、
30歳までにチームをマネジメントできる経験とスキルをつけてから転職する
などの作戦を練るといいと思います。
もしくは
30歳までにチームをマネジメントできるチャンスが貰えなければ転職する
などの期限を設けることも賢いと思います。
そして、もう30代半ばも過ぎている年齢だけどマネジメント経験もなにもない…という場合は、今の自分で戦えるフィールドで勝負をしたほうがコスパがいいからです。
例えば「マネージャー」ではなく、「経験者」の枠であれば比較的求人数も多くて門戸は広いです。
ほかにも、
未経験の業界✕今と同じ職種
未経験の職種✕今と同じ業界
のように少し軸足をズラす転職がオススメです。
【例】
不動産業界の営業からIT業界の営業へ
人材業界の営業から人材業界の経理へ
業界の職種の両方が完全に未経験の転職だと、そもそも年齢関係なく結構キツイです。
そのうえ、求められるレベルは年齢に比例して高くなってしまうので万人にはお勧めできない手段です。
まとめ
年齢が転職のボーダーと言われる理由について解説しました。
確かに、若さには何物にも代えがたい価値があります。
しかし、年齢を重ねたからこそ臨機応変な対応ができることもありますし、これまでの豊富な経験がプラスになることだってたくさんありますよね。
そうはいっても、転職市場では、年齢に比例して求められる経験や能力も高く設定されてしまうもの。
自分はどんな経験やスキルを期待される年齢なのか
その期待に応えられる経験とスキルを身に着けているか
それを正しく見極め、正しい作戦を立てることこそ、人生を大きくプラスに変える力と言ってもいいでしょう。
どんな世界であれ、勝負事においては自分が有利な時期やフィールドで勝負をつけるのが一番の正攻法なのかもしれません。