「転職したいけど、やりたいことが見つからない」というあなたへ。
かつて私もまったく同じ悩みを抱えていました。
今でこそ多くの人のキャリア相談に乗る仕事をしていますが、かつての私は「夢」や「やりたいこと」が明確にあったわけではありません。
20代で2回転職したものの、1度目の転職ではブラック企業に当たってしまい、散々な思いをしたことさえあります。
今日はそんな私が、やりたいことがなくて悩むあなたにオススメの「自分探し」のヒントを解説します。
仕事探しではなく、自分探しなのがポイントです。
はじめに
やりたいことがないなら、駅やコンビニに置いてある求人誌の1ページ目の上から順番に応募すればいいでしょう。
おそらく20社もしないうちに内定がもらえますよ。
少し意地悪に感じるかもしれませんが、私は相談者にこんな提案をすることがあります。
そうすると最初は「なにも思い付かない」と言っていた相談者の人が、希望条件やNGについてアレコレ話をしてくれるようになります。
そりゃあそうですよね。求人誌の1ページ目の会社から順番に応募するなんて、ほとんどの人が嫌がると思います。
では、何がどう嫌なのか。
逆に、どんな会社なら、どんな求人なら応募したいと思うのか。
それを徹底的に考えることこそが「自分探し」の第一歩と言えるでしょう。
意地悪に思える私の提案は、実はそれを引き出すためのちょっとした戦略だったというわけです。
やりたいことがない人のための6つのヒント
やりがいを考えるヒント
これは働く人の永遠のテーマでもあり、壮大な物語ですよね。
壮大すぎて、自分がどんなときにやりがいを感じるのかわからないという人も多いと思います。
そんな人は、これまで仕事をしてきた中で、言われて嬉しかった言葉を思い出してみてください。
「頼りになる」→リーダーシップがある
「気が利く」→マメで気配り上手
など、雑談の中でも構わないので、特に感謝されたときのことを思い出してみるといいですね。
これは自分の強みを探すときのヒントになりますので、応募書類の作成や面接対策にもなります。
目指す姿を考えるヒント
次は自分の目指す姿について考えてみてほしいです。
今度は自分が仕事をする中で、誰かに言われたいことを思い浮かべてみてください。
これがあなたの目指す姿つまりはキャリアに繋がってきます。
「さすが支店長!」でも「全国トップ」でも「家事育児と両立できてすごい」でも、なんなら「お局様」でもいいです。
そういう言葉をかけられるためにはどうしたらいいのか?を逆算して考えられるようになるのがミソです。
少し恥ずかしいですが、私は「なんでも出来るね」と周りに言われたかったので、あえて人事異動のある会社を選びました。
結果としては、今の会社で責任者にまでなれたので成功だったと思っています。
仕事相手について考えるヒント
どんな仕事をするかについて考えるときに、私はその「仕事相手」がポイントになってくると思っています。
仕事相手が
・お客さんや取引先の担当者などの【人間】
・パソコンや数字などの【機械】
のどちらなのかを考えほしいということです。
接客業などはわかりやすく、イメージもつきやすいと思います。
たとえば、「企画運営の仕事」といっても、
ひたすらデスクで企画書や予算とにらめっこをしているのか
広告やテナントを出してもらうためにガンガン法人営業をしているのか
では仕事内容がまったく異なりますよね。
なので、自分は【人間】と【機械(パソコンや数字)】のどちらの相手が得意なのかを早い段階で自覚する必要があります。
そして、自分が応募する求人がそれに合っているのかを考えなくてはなりません。
職種・職業について考えるヒント
「やりたいことがない」という人の多くが、「なりたい職業」が決まっていない状態です。
ただ、結論から言うと、職業名にこだわりすぎるのはむしろNGです。
あなたは子供の頃の将来の夢を覚えていますか?
パイロット、プロ野球選手、パティシエ、アイドル…
では、今はどうでしょうか?
そんな現実的な願望が出てきたら、なんだか自分も大人になったなあと感じますよね。
でもその願望、実は大正解なんです。
大人になった今だからこそ、仕事は働き方や条件で選んだほうがいいと断言します。
職業名にこだわり過ぎることで、かえって自分の選択肢を狭めてしまうことも大いに有り得るからです。
自分で自分のハードルを上げ過ぎないように、こだわりの優先順位はきちんと見極めたいものです。
年収について考えるヒント
働くことは生きることと直結しています。
そして資本主義経済圏である日本では、生きることとお金が強く結びついています。
資本主義とはそういうものだからです。
だからといって、お金をたくさん稼がなければいけないかというと、必ずしもそうではありません。
大切なのは「自分にとってどうなのか」を常に問いかけ続けること。
など考えることはたくさんあるはずです。
どれくらい貯金したくて、
どれくらい使いたくて、
そのために、どれくらい稼げる仕事に就く必要があるのかを自分のケースで考えてみてください。
転職に限らず、世の中はお金についての情報に溢れています。
そのため「自分にとってはどうなのか?」を常に考えておかないと、ただただ情報に振り回されてしまうだけなので注意してください。
働き方について考えるヒント
自分のおおよその希望年収がわかったところで、次はその仕事をずっと続けられそうかを考えてみてください。
確かに年収というのはひとつの目安ではありますが、それを5年10年と続けることで初めて人生のシュミレーションも出来るようになりますよね。
たとえば年収1000万円の仕事に就けたとしても、その仕事を5年10年と続けることはできるでしょうか?
台風の最大瞬間風速だけを見ても意味がないのと同じです。
そこまで考えておかないと、転職し直しになる可能性だってあります。
私は仕事柄、それで失敗している人をたくさん見てきました。
目先の額面に釣られるのではなく、ずっと続けていける仕事なのかをじっくり考えてほしいです。
そして、ずっと続けていける仕事とはどんな仕事なのかを徹底的に言語化してください。
まとめ
というわけで、やりたいことがない人向けの「自分探し」の方法を紹介しました。
面倒に思えるかもしれませんが、思い切って時間を決めてじっくり考えてみることをオススメします。
そうすることで、自分という人間が見えてくるようになりますし、自分が求めているものを自覚できるようになります。
それをすっ飛ばして「転職がうまく行く方法」なんてネットで検索しているうちは、理想の生き方はほど遠いと自覚したほうがいいです。
間違っても求人誌の上から順番に応募するようなことにならないよう、まずはしっかりと自分自身に向き合ってみてくださいね。